先駆けて咲く幻の桜~熊谷桜

紅葉のハナミズキ

熊谷の名前を冠し、そして幻の桜といわれる「熊谷桜」という桜があります。このたび「桜ファンクラブ」の皆様のご協力で、この熊谷桜を、妻沼西中学校の中庭に植えていただくことになりました。ここで、熊谷桜について調べてみました。

・Q1 なぜ、熊谷桜という名前がついているのか。

熊谷桜は、「クマガイザクラ」と読みます。開花期が、3月中旬と、ソメイヨシノより早く咲きます。他の桜に比べて早く咲く(=先駆けて咲く)ことから、平安時代末期の武将、熊谷次郎直実が一の谷の戦いで、平山季重と先陣を争ったことにちなんで「熊谷桜」と名付けられました。

・Q2 熊谷桜は、江戸時代の書物にも紹介される有名な桜といいますが。

江戸時代の前期に活躍した貝原益軒(かいばら えきけん)という人が記した『大和本草』という書物に熊谷桜が紹介されています。

・Q3 熊谷桜の花は、どのような特徴があるのか。

樹の高さも花の大きさも控えめ。花は、淡い紅色です。花弁は、小さくまとまり、八重咲きの花です。

・Q4 熊谷桜は、「幻の桜」ともいわれます。なぜですか。

かつて熊谷市の石上寺の境内などに多くの熊谷桜があり、美しく咲き誇る姿が昔の図絵にも残されています。しかし、第二次世界大戦の熊谷空襲によって、熊谷桜は、全て焼き尽くされてしまいました。こうしたことから、「絶滅した幻の品種」とされていました。「桜ファンクラブ」の皆様の調査によって、平成5年、茨城の農場に生き残っていた熊谷桜が発見されました。そこから接ぎ木をして苗木を増やす地道な活動によって、現代に復活を遂げました。こうした歴史と復活に向けた努力の結晶である熊谷桜をいただくことになりました。「桜ファンクラブ」の皆様に感謝するとともに、早く妻沼西中学校に咲く「熊谷桜」をみてみたいものです。 

令和8年10月19日 後期始業式 式辞        清水 利浩